「カウンターカルチャー」と「ビートルズ」のはずが
前回の投稿で「チープシック」の紹介をした時に、時代背景に「カウンター・カルチャー」という文化が密接に関係していると書きました。
そこで「カウンター・カルチャー」をもう少し調べていくと、音楽方面で、かの「ビートルズ」も年代的に完全にかぶることに気づきました。
ビートルズの変遷とその時代
そういえば、ビートルズというグループの変遷を追うと、リバプール出身のアイドルグループとして1962年に「プリーズ・プリーズ・ミー」で、デビューした4人組が、4年後にはライブ活動をやめて、スタジオセッションに没頭する。
その頃から、インド音楽などに影響を受けて、1967年には、世界で最も影響を与えたというサイケデリックな「サージェント・ペパーズ・ハーツ・クラブ・バンド」が生まれる。
そして、その後、実質的には、2枚のLP「ザ・ビートルズ(ホワイト・アルバム)」と「アビー・ロード」を創作して、1969年のゲットバック・セッションを最後に1970年1月にポール・マッカートニーがビートルズ脱退を表明して、グループとしての活動が終わりました。
この「ビートルズ」として活動した時期が、「カウンター・カルチャー」の時代と丸かぶりということをここで気づくことになりました。(「今頃かい!」という感じもありますが…)
そうだ!古本屋に行こう
ということで、前置きが長くなりましたが「カウンター・カルチャー」の色々な文献を調べていると、その中のキーワードとして「ビートルズ」の名前が必ずといっていいほど上がってくるので、「カウンター・カルチャー」と「ビートルズ」の関係をもう少し調べたくなり、本屋に行って「ビートルズ」関連の文献を探してみようと思い立ったのです。
そこで思ったのが、「ビートルズ」って、特に新しいわけでも、リバイバルで流行っているわけでもないので「別に新刊を買う必要ないんじゃーね」という考えが、頭をかすめてしまい、逆に、古本屋さんのほうが文献が揃っているのではないかと変な期待を持ってしまい、古本屋に行って探すことにしたのですが、今回行った近所の「BOOK OFF」には、ほとんど「ビートルズ」関連の本が揃っていなかったのです。(ガクッ⤵)
「ビートルズ」がない!
店内を隈なく探したのですが、「ビートルズ」関連の本がなく、ここは気を取り直して、他の本を選書していきました。
まずはアップル繋がりで共同創始者「ステーブ・ジョブズ」関連のモノで(ステーブ・ジョブズも「カウンター・カルチャー」の洗礼を受けているという情報もあり)「ステーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」(日経BP社)という本を見つけたので買い物かごに放り込みました。
そのまま、経済・経営の棚をうろうろ探していると「ユニクロ帝国の光と影」(文春文庫)という文庫本を発見。
この本は、過酷な労働を強いていたとしてユニクロの実態を取材した力作で、2013年にユニクロが版元の文藝春秋を名誉毀損で訴えましたが敗訴したが控訴。引き続き、2014年の二審判決でもユニクロ側が敗訴したという「ユニクロ=ブラック企業」というイメージを一般的に広めた曰く付きの本がなんと¥110なので思わずゲットしました。
そのまま、カニ歩きを続けると「スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営」(日経BP社)という本が目に入って「アップルも見学にくるアウトドア世界企業」という気になるのでこれも買い物かごにINしました。
スノーピークは、ここ最近、アウトドア用品だけではなく、アパレルにもかなり力を入れており、その経営手腕は気になるところでありました。
古本も一期一会!なんです!!
今回、手に入れた本は、いずれも2010年頃に発刊されたもので情報としては、新しくはないのですが、現在(2021年3月)まで、その考え方は、いまの活動に生き続けており、大変に参考になりました。(残念ながら、ステーブ・ジョブズ氏は亡くなられていますが)
しかし、お目当ての本が見つからずに、偶然に行き当たりばったりで買い揃えたモノなのですが、あらためて、この3人のカリスマ経営者の物凄い共通点を発見してしまいましたという感じです。
これは、もしかしたら、神様の思し召しなのかもしれない。という気分なのです。
復活するのを導く共通のキーワードはひとつ
アップル、ユニクロやスノーピークという会社は、ブームと呼ばれるようなものを経験し、市場の原理巻き込まれ、一旦は会社のピークを迎えるのですが、いずれもその反動は大きく、そのブームの直後に、会社の存続に関わるような危機に見舞われます。アップルは「マッキントッシュ」の成功から一気にウインドウズにシェアを奪われ、創業者の一人だったはずのジョブズ自身が、アップルから追放されてしまうという憂き目にあってしまうし、ユニクロは空前のフリース・ブームから一転、2期連続の赤字で、大量の返品在庫の山を築き、スノーピークも80年代後半の空前のキャンプ・ブームが去り、6期連続の赤字という辛酸をなめました。
そんな彼らが、どのようにして、どん底から這い上がったのか?
各々の本を読んでいくと、ある共通した「キーワード」が浮かび上がって着たのです。
そして、ご存知のように、いずれの方々も、会社もどん底の状況から立ち直るどころか、何十倍、何百倍の成長を遂げています。
そのどん底の状態から這い上がらせたのが、「グリット」(やり抜く力)があったのです。
「グリット」の4つの力
ここにあげた3人(ステーブ・ジョブズ氏、柳井正氏、山井太氏)は、並外れた「グリット」の持ち主であると思います。
「グリット」を成功させるには、GRITの頭文字4つの要素が必要といわれています。
Guts:(度胸) 困難なことに立ち向かう力
Resilience:(復元力) 失敗しても諦めずに立ち直る力
Initiative:(主導権) 自分で目標を見据える力
Tenacity:(粘り強さ) 最後までやり遂げる力
「GRIT」やり抜く力を引き出すの著者、キャロライン・アダムス・ミラーは「オーセンティック・グリット」(本物のグリット)という言葉で、
「高い目標を情熱を持って追求する姿勢であり、周囲の人の畏敬の念を引き起こし、他者の中から、より良い人間へと成長し、精神的な持続的幸福を獲得し、有益なリスクを冒し、最高の人生を創りたいという意欲を引き出すもの」と定義しています。
「グリット」を可能にするひとつの掟
この3人(ステーブ・ジョブズ氏、柳井正氏、山井太氏)がいくらカリスマであろうとも、襲った大波には、さすがに、凹んだ時期があったようです。しかしながら、この3人が「グリット」を可能にした共通点が、各著書に書いてあります。
ステーブ・ジョブズは、「シンク・ディファレント」のキャンペーンを打ち、アップルのブランド・イメージを明確にする「ビジョン」を作り出して、自らが発信源になり奇跡の復活を遂げた
ユニクロの柳井正は、自ら据えた後継者の首を切っても、会社を引っ張っていき、「10年後(2020年)には、売上高5兆円のグローバル企業にしたい」という到底、「不可能と思われるような構想」をぶち上げて邁進しました。
スノーピークの山井太は、30年前に作った会社の「ミッション・ステートメント」というコンパスの針に従い、アップルが見学にくるほどに成長した。
いずれもが、「ビジョン」や「ミッション・ステートメント」を明確に持ち、そのコンパスに沿って、どのように動けばよいのか、「この会社にとって一番良いのはなにか」ということ最優先に考ることができたと著書に書いています。
壮大な目標でも、「ビジョン」や「ミッション・ステートメント」というコンパスを持ちながら、「グリット」(やり抜く力)の4つの要素が発揮できれば、「できないことなど何もない」ということを、この3人は証明しているように思います。
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