今秋はミニマムでタイトな装いから「太いめでルーズなスタイル」に
でも、Around 50 のおじさんが、ルーズなスタイルをしてしまうと、いかにも締まりのないユルユルな感じになってしまいます。
そこで、今流行りの太めのスタイリングをうまく取り入れる方法を考えてみましょう。
「ダサそう」だけれど「知性的な」コーディネート「ナード・ギークスタイル」を目指しましょう。
「ナード・ギークスタイル」とは
2017年あたりから言われだしたキーワードですが、以前は時代遅れとされたアイテムを今風にアレンジして、レトロでオタクっぽい着こなしのことを指します。
イメージとしてはおじいちゃんの家のクローゼットにある一見古めかしいアイテム(ツィードのジャケットやコーディロイパンツ、チェックのシャツなど)が代表的なもので
あえて「ダサい」感を出していくギミックを取り入れながら、「知性的」見せることがカッコいいのです。
たとえば、お手本として日本では、もう亡くなってしまいましたがイラストレーターの安西水丸氏は本当にかっこよかったし、海外では、映画監督のウェス・アンダーソンや1970年代のウディ・アレンの着こなしも最高です。
そこで、今秋は、もう何度も語られてはいますが、永遠のファッション・アイコンである映画『アニー・ホール』でのウディ・アレンの着こなしを再検証しましょう。
「アニー・ホール」と「ラルフ・ローレン」の関係
映画「アニー・ホール」で、ダイアン・キートンが着こなした衣装が『アニー・ホール・ルック』と呼ばれ、公開当時から話題になり、その着こなしが流行りました。
ダイアン・キートン自身による斬新なスタイリングは、メンズのベストやアーミーパンツ、ネクタイなどを組み合わせ、女性らしさに囚われない自由奔放なスタイルでした。
映画のスタイリストには反対されますが、監督でもあったウディ・アレンの「ほっとくんだ。彼女は天才なんだから。ほっとこう。彼女が着たいものを着せよう!」という後押しもあり、正式に衣装として採用されることになりました。
そして「アニー・ホール・ルック」は70年代後半のファッション界に影響を及ぼしただけでなく、未だにファッションとして強い影響力を持っています。
そんなダイアン・キートンの着こなしが目立ちますが、もう1人の主役であるウディ・アレンの着こなしもまたメンズのファッション・アイコンになっています。
また、このふたり以外にも「アニー・ホール・ルック』を語る上で欠かせないキーパソンとしてラルフ・ローレンがいます。
ラルフ・ローレンはウディ・アレンと同じくニューヨークで生まれ育ちました。ラルフ・ローレン自身もウディ・アレンと同じくユダヤ人でもあり、2人は仲がよく、そしてウディとラルフの背格好も近いため、ラルフ本人のクローゼットから衣装を引っ張り出してきたそうです。
ツィード・ジャケットやM51のフィールド・ジャケットにチェックのシャツ(ボタンダウンはあまり好きではなかった)に太めチノパンやコーディロイパンツ、そしてレッドウィングのOxfordシューズなど、隙だらけでサイコパスなおじさんの「ナード」な着こなしが永遠のファッション・アイコンとなりました。
映画「アニー・ホール」とは
1977年にウディ・アレンが監督・主演をこなしたコメディ映画が『アニー・ホール』。この作品は、第50回アカデミー賞の最優秀作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞を受賞(ウディ・アレンはアカデミー賞の出席をボイコット)しました。
映画のタイトルになった『アニー・ホール』とは、ダイアン・キートンの幼少期からの愛称の「アニー」からつけられたということです。
『アニー・ホール」のあらすじ
スタンダップコメディアンをしながら死にとりつかれている独身男性アルビーは、友人の紹介で、歌手志望の明るい女性アニーと出会い、2人はアルビーのアパートで同棲生活に入る。しかし、時が経つにつれて、ふたりは出会ったころの新鮮な気持ちが弱まっていく。些細なことでの口論、別れ、仲直りの繰り返し。そんな2人の関係が、アニーはレコード会社の経営者と仲よくなることで終止符がうたれる。レコードデビューするため、ハリウッドの彼のアパートに引っ越してしまう。アルビーは、ぽっかり空いた気持ちを埋めるため、いろんな女性を紹介してもらうがうまくいかない。そんな現実と向かい合ったことでアルビーはやっと自身のアニーに対する愛情に気付く。アニーが忘れられないアルビーは、大嫌いなハリウッドまで飛行機に乗って、アニーにプロポーズをするのだが…
アニー・ホール」のスタッフ・キャスト
監督 ウディ・アレン
脚本 ウディ・アレン マーシャル・ブリックマン
製作 チャールズ・H・ジョフィ ジャック・ローリンズ
製作総指揮 ロバート・グリーンハット
出演者 ウディ・アレン ダイアン・キートン トニー・ロバーツ
クリストファー・ウォーケン キャロル・ケイン ポール・サイモン
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