質実剛健な「Harris Tweed」を着る

着る

「Harris tweed」ジャケットをかっこよく着こなしたい

自分の願望なんですが「ハリスツイード・ジャケット」をかっこよく着こなしたいというのがあります。たとえば、映画「ブリット」でスティーブ・マックイーンが着こなしたような体に馴染んで無骨でタフなイメージの着方はかっこよすぎて憧れます。

ツイードジャケットは”風合いを着る服”といわれています。そこで大切なのは、いかに自分の身体に馴染ませるのかということだそうです。

かの白洲次郎氏は「ツイードは、2,3年軒下に吊るして雨ざらしにしておいて、油が抜けてから着るもんだ」とファッション・デザイナーの三宅一生氏に語ったと言われています。それだけ粗野でタフな服でもあるということです。

そもそもツイードとは

ツイードとは、スコットランド・アウターヘブリディーズ諸島の島民たちが、漁に出られない時に羊の毛を紡いで、それを手織りで仕上げた漁師の作業着であったと言われています

羊の毛はもともと、防寒性が高い上に、雨などの水分を含むと毛が立ち上がり、熱を発する特性があり、極寒の環境で仕事をする漁師の作業着には最適だったのです。そして同じような理由でアランセーターやガンジーセーターなど漁師に由来するタフウェアが存在するわけです。

その機能性の高さに目をつけた当時のハリス島の領主であったダンモア伯爵夫人が、イギリスの貴族社会に広めたのがハリスツイードという名称の始まりです。

イギリスの厳しい気候の中で行うハンティングやフィッシングなどのアウトドア・スポーツ嗜む英国貴族にとって冷たい雨風から身を守ってくれる貴重な素材として重宝されていったのです。

ツイードといっても色んな種類があリます

英国には、ツイードの産地は数え切れないほどあるといわれています。その中でも、スコットランド北西地方のハリス&ルイス島を中心とするアウターヘブリディーズ諸島(ハリスツイード)、スコットランドの北に位置するシェットランド島(シェットランドツイード)、アイルランドの北西部のドニゴール地方(ドニガルツイード)がツイードの3大産地となります。

ツイードの3大産地とは

ハリスツイード(HARRIS TWEED)スコットランドの北西のアウター・ヘブリディーズ島でとれる羊毛を紡いだ生地はそれぞれの島名を冠したものだったのを1909年にメリー・シ・ホース女史がハリスツイードアソシエーションを設立したことで統一されました。オブ&クロスという有名なマークのタグがつけられるようになっていきます。

生地の特徴としては、厚手でザラつきがあり無骨な質感があります

シェットランドツイード(SHETLANDTWEED)スコットランドの北にあるシェットランド島で織られる生地のこと。寒暖の差が激しい土地柄ゆえに、粗い毛と細かい毛が密生した羊が多いのが特徴で、この希少な産毛を一度スコットランドで加工して、島内でしゅこうぎょうでによって完成させる。

生地の特徴としては、ハリとソフトな風合いを持ち合わせていて3大産地の中ではもっとも柔らかな肌触りになります。

ドネガルツイード(DONEGAL TWEED)アイルランド北西部のドニゴール地方でつくられた生地のこと。ブラック・フェースと呼ばれる山岳種の羊の紡毛糸が使われるのが一般的で、経糸に太番手の白糸、緯糸にカラーネップをハンドウ−レンしたもので、特徴としてクラシックな印象を与えて、ハリスツイードに近い粗い質感を持っている。

近年はスコットランド産に限らず、機械織りでつくられたものもツイードと呼ばれるため明確に区別をすることが難しくなっています。

ただ、最上級とされる「ハリスツイードは登録商標されているために明確な定義がされています。

「アウター・ヘブリディーズ諸島で染色され、紡がれた純粋のヴァージンウールを使い、島民の家で島民の手によって織られ、ハリス島、ルイス島、ベンべグラ島、サウスウスト島、バラ島で仕上げられたツイード」というものでハリスツイード協会の基準を満たした生地のみのハリスツイードのタグがつけられることになります。

糸の原料となる羊は、ブリディアン・ブラック・フェイスと呼ばれる黒い顔の羊からとれるヴァージンウールで1934年からずっと糸の生産と生地の仕上げがこの地で行われている。生地を織るのは昔からの手織り技術を受け継ぐ職人の仕事で、それぞれの自宅で旧式の織機を使い、生地を織っている。

ハリスツイードのタグには、シリアルナンバーが入っており、調べればその生地を織った職人の名前がわかるという管理がなされている。

昔ながらの製法が守られているからこそ、素朴で野趣な趣を持った伝統的なハリスツイードの良さが保たれるのです。

こんなタフな生地でつくられたテーラードジャケットを身体になじませるには、白洲次郎氏が語ったように手荒く扱ってちょうどなのかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました