ユーロ・ワークブランドの雄「DANTON」
DANTONは、1935年に「MANUFACTURE TEXTILE DU CENTRE」という製品のブランドとして生まれました。
そのアイコンとして、ひし形のロゴマークとして商標登録しました。
作業用のカバーオールや料理人のユニホームやエプロンなどのワークウェアを中心に製造を始め、70年〜80年にR.A.T.P(パリ市内メトロ)や行政機関へユニフォームを納入するようになりました。S.N.C.F(フランスの国鉄)にも納品していた歴史のあるワークウェア・ブランドです。
フレンチアイビー・ブームのあとに
日本では、1980年代半ばのフレンチ・アイビーが流行った時代にHEMISPHERESやHarrisなどの本場のセレクトショップものやアニエスbなどのブランドが入ってくるようになりました。
時代は日本の経済が空前の絶頂期を迎え、やがってバブルが弾けてしまいます。そこで、再び「チープ・シック」さながらのお金をかけずにオシャレすることが注目され、この「DANTON」を代表とするユーロ・ワークウェアでした。
米国モノの重くゴッツい感じのするワークウェアより軽くシックな感じのするヨーロッパのワークウェアが注目されるようになりました。
ユーロ・ワークウェアとは
フランスものでは、DANTON、VETORAなどにドイツのKENPEL、英国のYarmoといったブランドが次々とセレクトショップに並び、このワークウェアのインナーには、SAINT JAMES、Le minor、Orcivalといったバスクシャツがとても相性がよく、これらを合わせるのがド定番でした。
特に、炭鉱夫たちが着るようなモールスキンと呼ばれるような分厚いサテン地のショールカラーのジャケットやセットアップできるワークパンツが人気でした。
写真にあるような鉄道の車掌やバス運転手が着るようなテーラードっぽいジャケット。生地は、モールスキンではなく、ややライトウェイトなギャバジンのような綿素材です。
色もユーロ・ワークウェアの特徴的なネイビーとブルーの中間的な色合いが米国モノにない色で新鮮に写ったものです。
小洒落たユーロ・ワークウェア
そういえば、オシャレなヨーロッパのワークウェアですが、それでもどことなく垢抜けないデザインやシルエットが随所にあったんです。
それが、最近は小洒落たデザインのモノがすごく増えたなと印象です。一因には、こういったユーロ・ワークウェアが日本市場が拡大するにつれ、現地で作られるモノが段々、減ってきて日本のマーケットに合わせたものづくりをするようになります。
この「DANTON」も数年前からブランドの所有・管理はフランスの会社で、企画・デザイン・製造は日本のボーイズというメーカーが行っています。
女子ウケするようなブランドに変わった「DANTON」ですが、なんとなく本物のワーク感がなくなって残念な気がします。
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