人生100年時代において、「長寿化する人生では、あるときは仕事に集中し、あるときは自分への投資に専念するなど、人生のステージを変えていく必要が出てきます。おのおのが人生を再設計しなければなりません。」と「Life Sift(ライフ・シフト)〜人生100年時代の人生戦略」の著者の1人であるリンダ・グラットンはこう説きました。
具体的には、「長寿化が進むなかにおいて、お金や不動産等の有形資産の重要性が増す中で、無形資産(人脈・健康・スキル・知性)がそれ以上に重要になってくる」という風にもいっています。
いいかえれば、「これからの長い人生を過ごすためには、お金だけではなく、自分の持っている能力を持続し、その時々で適応して活かすことが、もっとも重要になる」ということです。
もう一つ、この『Life Sift』 より10年以上も前の2006年に、日本の経済産業省が提唱した「人生100年時代の社会人基礎力」という報告書があります。コレには、今後の人生100年時代や第4次産業革命に適応するために「職場や地域社会で多様な人々と仕事していくために必要な基礎的な力」が重要になってくると書いています。
そこには『キャリア・オーナーシップの意識』として、自らの働き方、獲得すべきスキルや発揮する場面などを常に意識し続けるとともに、自らに時間やお金に投資していく必要性。
『リフレクションの徹底』として、自らが持つ・持たざる能力や体験を振り返ること(リフレクション)を通じて成長し続けるとともに自分の強み/弱みを認識(経験/スキルを棚卸し)することで今後のキャリアの可能性を開いていくことが必要であり、時代に応じてスキルや能力を随時アップデイトしていく『「学び続けること」を学ぶ』など、様々な個人としての取り組むべき方向性を展開しています。
人生100年時代の下、いかなる時も「成長主体である個人」として、多様な「活躍の場」を選択し、自らを高めることがこれから重要になリます。
それでは、100年時代に活躍するための必要な力とは
・3つの視点で振り返り
・3つの能力を導き出して
・12の能力要素に分解しています。
能力を発揮するための「3つの視点」とは
まずは、目的・学び・統合の3つの視点でこれからどう生きていくかを振り返ることが重要です。
「目的」 どう活躍していくのか 自己実現や社会貢献に向けて行動する
「学び」 何を学ぶのか 「学び続けること」を学ぶ
「統合」 どのように学ぶのか 多様な体験・経験、能力、キャリアを組み合わせ、統合する
まずは、能力を発揮するにあたって、自己を認識して、リフレクション(振り返り)しながら、「目的」「学び」「統合」のバランスを図ることが、自らのキャリアを切り開いて行く上で必要となってきます
100年時代に必要な「3つの能力」と構成する「12の能力要素」とは
- 「前に踏み出す力」― 「目的」 ー アクション
- 「考え抜く力」 ― 「学び」 ー シンキング
- 「チームで働く力」― 「統合」 ー チームワーク
1.「前に踏み出す力」とは、「アクション」どう動くのか
その中には、3つの能力要素があります。
①「主体性」 ― 物事に進んで取り組むことができる
②「働きかけ力」― 他人に働きかけて巻き込むことができる
③「実行力」 ― 目的を設定して確実に実行することができる
2.「考え抜く力」とは、「シンキング」事前に考え、段取りよく物事をすすめていく
これは、3つの能力要素からなります。
④「課題発見力」― 現状を分析し目的・課題を明らかにできる
⑤「計画力」 ― プロセスを明らかにして準備できる
⑥「創造力」 ― 新しい価値を生み出すことができる
3.「チームで働く力」とは、「チームワーク」人とのつながりで価値の創出を生む
そして、6つの能力要素が必要です。
⑦「発信力」 ― 自分の意見を分かりやすく伝えることができる
⑧「傾聴力」 ― 相手の意見を丁寧に聴くことができる
⑨「柔軟性」 ― 意見の違い、立場の違いを理解できる
⑩「情報把握力」 ― 自分と周囲の人や物事との関係性を理解できる
⑪「規律性」 ― 社会のルール、人との約束を守ることができる
⑫「ストレスコントロール力」― ストレスの発生源に対応できる
この「3つの能力」と「12の能力要素」をリフレクション(振り返り)すること、コレから人生100年を生きていくためのスキルをもう一度磨き直し「前に踏み出す」意識をもつことが「人生を楽しむ」ひとつの基礎になるのは間違いないでしょう。
でも基礎力だけでは足りない ー もう一つの決定的な能力
しかしながら、ここで提言している基礎力だけでは、もう少し足りないと思うところがあります。
それが以前にも書いた「グリット(やり抜く力)」ではないかと思います。
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