こんなの買ってみた 番外編

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アクシネット ブルズアイ パタ―

Titleist社製「BULLS EYE・DEEP FACE」

数多あるパターの中で最もシンプルなパター

センターシャフトでT字型を代表するパターである「アクシネット・ブルズアイ」。ヘッドのデザインがキャッシュイン型の平らなかたちをしているのが特徴で、左右両用することができます。
そういう意味で、数あるパターの中でも、もっともシンプルなデザインのパターということができるでしょう。

ボロボロのグリップに「BULLS EYE」

1940年代から登場し、あの有名なピンパターが出現するまでは多くのプロ選手が使っていました。50〜60年代には、「マジック・フィール」と呼ばれ、絶妙な打感と転がりでプロやアマチュアを問わず、絶大な支持を受けていました。

しかし、スウィート・スポットが小さく、シャープなため、66年に開発されたトゥ・ヒールバランス型の「ピン・アンサー」が出てくるとカップインする確率が一気に向上し、確率を重視するツアープロたちが一気に移っていき、キャッシュイン型のパターは廃れていきました。

今ではこのキャッシュイン型パターをゴルフ・コースで使っている人は、ほとんどいないのではないでしょうか?

ちなみの「キャッシュイン」とは、スポルディング社の名称で、アクシネット(タイトリスト)社では「ブルズアイ」と読んでいましたが、当時は「あまりにも入るパター=稼げるパター」として「キャッシュイン」という呼び名が広まったとのことです。

キャッシュイン型のパターは難しい!?

結論から言ってしまうと、キャッシュイン型は基本をしっかり押さえていれば、実に「素直ないい転がりをするボールを打つことができるパター」であると思います。

今回、買ったのは、「ブルズアイ・ディープフェイス」と呼ばれるモデルで、従来の「Standard」と呼ばれるモデルよりは、全体に高さがあるブレードの設計になっていてスポットが、やや高重心になっています。
以前からこの「キャッシュイン型」には興味があり、ネット・オークションでも安く、出品されていたので迷っていたのですが、平らなヘッド・デザインでスウィートスポットが小さい難しそうな印象があり、手を出しづらい理由でした。

たまたま、訪れた街なかのリサイクル・ショップのゴルフコーナーの一角に、中古のパターがキャディバッグに詰め込まれて売られている中で見つけてしまったのです。

いつも思うのですが、掘り出し物と呼ばれるモノは、突然のようにそこに現れて来るのです。
広い売り場の中で、「私はここにいるので買ってください」との如く、偶然に現れます。その日もゴルフ用品など全く買う予定はなかったのですが… これこそ「一期一会」というのでしょうか。

そして当然の如く、買ってしまいました。ついでに一緒にキャディバッグに刺さっていた「ピン・アンサー85020」と共に(なんと、2本で1500円で手に入ったのです)

一緒にキャディバッグに刺さっていた「ピンアンサー85020」

早速、家に持ち帰り「金属みがき」でサビを落として、何球か打ってみたら、これがすごく感触がいいのです。ボールの回転が良くて、順回転でボールに伸びがあるように感じました。
一緒に買った「ピンアンサー」より全然イイのです。

代表的な「ブルズアイ」のヘッドデザイン(Titleistのホームページより)

これぞ!「マジックフィール」と呼ばれる感触なのでしょうか。

「マジックフィール」を生む3つの秘密

難しいといわれる「ブルズアイ」が、打ってみたらこれほどまでに感触がいいのはなぜだろう?
いろいろと考察してみたのですが、理由は大きくは3つあるのではないかと考えました。

①ソフトなタッチを生むヘッドの素材

ヘッドの素材には、「ソフトイエローブラス」というブルズアイ独自の素材が使われています。
この素材は、現存するパター素材の中で、最も柔らかい素材と言われているそうで、50年代当時は、この黄銅素材のインゴットから1本1本削り出して作っていたのです。

ですので、買った「ブルズアイ」も打痕でフェース面が傷だらけ、自然のミーリング仕上げがされているかのようです。でも、これがソフトタッチを生む秘密のひとつです。

②重めのシャフトとその形状

この「ブルズアイ」手に持ってみると昔のクラシックパターにしては、かなり重量があリます。ヘッドの重量は320gとなっているので、ヘッド自体はそんなに重くはありません。なのにずっしりとくる感じがあるのは、135gあるシャフト重量にあります。

シャフトとヘッドの継ぎ目の膨らみがフレア
そして、シャフトに長細い6本の溝が刻まれている

スティッフ(段差)がないパールブラスト仕上げのシャフトの先端部はフレアチップという先が開いた形状で先端から2.5インチのところに長い垂直な6本の溝が刻まれています(ヘッド部分の写真参照)これによってスイングが安定して、芯で打ったときに非常によい振動が手に残ります。
これがふたつめの秘密だと思います。

③トゥ・ヘヴィーなヘッド形状

ヘッドだけを外に出して机の上にパターを置いたときに、この「ブルズアイ」のヘッドはトゥ側が真下に向きます。これはトゥダウンタイプと呼ばれて、ストローク中のフェースの開閉が大きく、円弧(アーク)が小さくなる傾向になるといわれています。

本来は、パターを小さく引いて、インパクトの時にボールをパチンと当てる感じで打つのに向いています。要するに、ストロークで打つというよりは、インパクトを意識して打つのがいいのですが、今ふうの打ち方でいうヘッドの重さを意識した「振り子式」打ち方をすれば、インパクトの厚みを感じ、いいボールの回転しながら転がってくれるのです。私には、この打ち方が手に合いました。

具体的な「振り子式」の打ち方

1.セットアップとして、アドレスは肩幅程度に足を開いて、その中央にボールを置きます

2.パターのフェースはセンターシャフトの延長線上にセット(ほとんど、シャフトの付け根部分)します

3.バックスイングは、手首を使って右側にやや折れるぐらいでトップの位置にもっていきます

4.ダウンスイングでは、インパクトまで右手首の角度をキープしたままで降ろしてきます

5.フェースがボールにコンタクトした瞬間に、手首の角度をリリース(解放)します 
  この時、無理に手首をリリースするのではなくヘッドの重みで自然にリリースする感じが大事です

6.ヘッドの重みを感じたまま、フォローを出していきます

手首を使って、ヘッドを振り子のように自由落下運動で振っていく要領になります

こうしてパターマットの上ではうまくいくのですが、実際のコースのグリーン上でうまくいくかが問題です。でも、今度のラウンドで実戦投入してみたいと思わせてくれる雰囲気のあるクラシックパターでした。

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