ゴルフ用具による考察
「ビンテージ」と「クラシック」の違いがあまり良くわからず、スマホの辞書で調べてみました。
「ビンテージ」とは、
製造時期や型式による希少性があり、時間の経過とともに価値が高まった製品。
大辞林より
一方、「クラシック」とは
古典の伝統や作風を重んじるさま。古典的。またそのような作品。
大辞林より
ということで、「ビンテージ」は製品そのものの価値であり、「クラシック」とは伝統や作風を重んじるスタイルに価値があるというふうに捉えることができるのでしょうか。
「ビンテージ」は製品の個体そのものの価値であり、「クラシック」は製品のスタイルに価値があることでしょう。
ゴルフ用品でもよく「ビンテージ」という言葉が使われます。特にパターは機能性より嗜好性を好まれる傾向にあり、「ビンテージ」パターや「クラシック」パターと呼ばれるパターを使っている方をよく見受けます。
それでいうと「ビンテージ・パター」は、ヒッコリーのシャフトで作られたパターや過去に作られたMcGREGORの「IMG5」やWilsonの「8802」などの時代を彩ったモノがそれに当たると思います。
「クラシック・パター」というのは過去から名器と呼ばれ、未だに生産続けられているPing「アンサー」やAcushnet「ブルズ・アイ」と呼ばれるキャッシュイン・タイプなどがあげられると思います。
プロのツアーを見るとこんなビンテージ・パターやクラシック・パターを使う人をほとんど見なくなりました。
なぜ、クラシックパターは廃れた
20〜30年前のプロ・ツアーではジャンボ尾崎が「IMG5」やベン・クレンショーが「8802」を日本ツアーやオーガスタを制していました。
まず、このような「L字パター」と呼ばれるものについては、プロ・ツアーで見ることは皆無になってしまいました。
まだ使われているクラシック・パターの代表格としては、メーカー名がパターのカタチを表しているキャビティバック型にクランクネックのヘッドの「ピン・タイプ」と呼ばれるモデルは、ピンはもちろんのこと、オデッセイやキャメロンなど大手メーカーが定番として生産している。
しかし現代の「ピン・タイプ」は素材やインサートを入れるなどの構造、ミルド研磨などの加工で大分と変化しています。
ボールの変化も一因?
なぜ、このように変化してしまったのか? 一つには、ボールの変化にあるようです。
ゴルフの道具のなかで、一番進化したのがボールといわれています。
まず、いまの若いゴルファーは知らないでしょうが、80年代頃まではゴルフボールには2つのサイズが存在していました。
スモールボール(41.14mm)とラージボール(42.67mm)があり、ゴルファーは自由にサイズを選ぶことができました。
ところが、1988年にラージボールのサイズにルールが統一されました。
ボールが大きくなった分、ボールの重量も若干ですが増えたことにより、軽いめのパターのフィーリングが変わってしまい、重いめのパターが受け入れられていきました。
そのため、比較的軽い「L字パター」やキャッシュイン・タイプの「T字パター」が衰退したといわれています。
ボールの素材も進化した
そして、もう一つの理由として、80年代後半から出てきた「ツーピース」ボールから始まったボールの構造の変化により、打感が変わってしまったことも大きな要因であるようです。
「ツーピース」ボールが出てくる以前は、「糸巻き」ボールのバタラカバーと呼ばれる生ゴムを使った素材で覆われいました。この素材は、本当に柔らかくて、打感は吸い付くように良かったのですが、ちょっとしたミスショット、特にトップ(クラブのエッジ部分)で打ってしまうとすぐにボールの表面が割れてしまいました。
それが「ツーピース」ボールになるとサーリンカバーという素材に変わり、飛躍的の文字通りに飛距離と耐久性が伸びました。しかし、その背反として、いわゆる「打感が硬い」弾きが良くなった分、コントロールの感覚がなくなってしまったといわれます。
道具(ボール)の進化により、「ビンテージ」や「クラシック」なパターは生活が懸かっているプロのプレーヤーではほとんど使われなくなってしまいました。
また、最新のクラブを使って勝つプロゴルファーに憧れ、その評判にあやかって、クラブを買い替えるることが多いアマチュアゴルファーによって「ビンテージ」や「クラシック」は絶滅している状況になっています。
それでも、ボールはどんどん進化しており、ボールの構造は、2ピースにとどまらず、3ピース、4ピース、最近は5ピースもあります、カバーもウレタンカバーなどが出てきて、色んな打感が楽しめるようになっています。
自分のスタイルを持つ
最近、いままで使っていたキャメロンのパターが調子悪く(というよりフィーリングが合わなくて)、ゴルフを始めた頃に買ったPingの「アンサー2」を引っ張り出して使ったら、思いのほか、手に馴染みました。グリップもキャメロンのモノに差し替えて使っています。
もし、家に眠っている「ビンテージ」や「クラシック」なパターがあれば、難しいと思わずに気軽に使ってみたら、何か今までと違うフィーリングを再発見できるかもしれないです。
そして、何より流行に流されない、自分のスタイルを持つことができると思います。
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